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カウンセリング・心理検査について

 発達障害の概念の拡がりや、大人になった後に発達障害ではないかと悩む人も増え、近年では臨床診断に対する重要性が増してきております。また「グレーゾーン」と呼ばれる方々の抱える生きにくさ、生活のしにくさから起こる精神的な二次障害も近年では問題になっております。当院では患者さんの困りごとの援助、改善法の一環として、心理検査・カウンセリングを強化していこうと考えています。

カウンセリングについて

カウンセリングとは、心の悩みやいろいろ辛い問題を抱えている人と一緒になってそのことを考え、少しでも悩みが軽くなるように、辛いことが楽になるようにする援助法のことです。

時間を決めて週に一度か隔週にお話しを行いながら続けていきます。ただ話をするといっても、心のわだかまりが解けて楽になるように、どうして辛いかがわかっていくように話を進め、次にどうしたらつらくならないようになるか、前もって防ぐやり方が少しずつわかるように話を進めていきます。

30分...........4,500円  ​(自費となります)

・50分...........7,000円    (自費となります)

心理検査、カウンセリングの料金については上記を基本としておりますが、要相談とさせて頂きます

・うつ病の認知行動療法(ACT:50分X8回)

ACT(アクト)とはAcceptance and Commitment Therapy の略で、認知行動療法(CBT)の中の1つの心理療法です。「認知行動療法の『第三の波』」、または「第三世代の認知行動療法」とも呼ばれています。

ステップ1:マインドフルネス導入と現状の整理

ステップ2:認知や感情、行動、悪循環に気づく練習

ステップ3:短期と長期の視点から捉える

ステップ4:価値の明確化

ステップ5:統合:言葉の合気道

​から構成され、計8回を目処に治療を行っていきます。

心理検査について

 一般的に発達状態や知能水準、パーソナリティの評価として行います。以下が主な検査になります。

WAIS 

ウェクスラー式知能検査の成人用、 WAIS(ウェイス:Wechsler Adult Intelligence Scale 4th edition)のことで、発達障害のある方の現在の発達・知能の水準や偏りの傾向をとらえるためにしばしば用いられます。WAIS-Ⅳ では大きく分けて「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリー」「処理速度」という4つの指標と、それらを合わせた総合的な指標(全検査 IQ)で個人の特性を評価します。
それぞれの指標にはより細かな
「下位検査」が設定されており、下位検査の得点状況も踏まえながらご本人の特性を分析します。

ロールシャッハテスト

ロールシャッハ・テスト( Rorschach test, Rorschach inkblot test)は深層心理を探ることができるといわれているパーソナリティ検査です。紙に垂らしたインクを2つに折り曲げて広げたことでできる左右対称の模様が描かれた図版を見て、「何に見えるか」「どんな風に感じたか」を直感で答えていくテストです。スイスの精神医学者ヘルマン・ロールシャッハにより創始されました。90年以上の歴史をもち、日本では1930年代に紹介されて以来、臨床心理の現場で広く用いられ、研究され続けています。

バウムテスト

バウムテストは1945年にスイスの心理学者でエミール・ユッカー(E,Jucker)が提唱し、産業カウンセラーのコッホ(Koch,k)が創案した投影法という心理検査になります。検査方法は非常にシンプルで、1本の実がなる木を書いていただくだけになります。その中に投影される情報を、専門家が読み解いていく心理検査になります。

AQ-J

『自閉症スぺクラム指数日本語版 (Autism-Spectrum Quotient Japanese version )』であり、その名前の通り、その方の自閉スペクトラム症の傾向の有無や程度を測定するための心理検査の一つです。DSM-5で定義された、高機能自閉症やアスペルガー障害を含む自閉症スペクトラム障害のスクリーニングができ、研究・臨床の双方で国際的に利用されている検査です。

自閉症スペクトラム障害とは、いわゆる発達障害の傾向があって、生活に支障がある方すべてを含みます。社会的なコミュニケーションの取り方の困難さ、こだわりの強さを大きな特徴とします。そのような特徴は人によって濃さが異なります。自閉症スペクトラム障害では、特徴が強い人と弱い人を濃さの違いとして、連続的なものとしてとして考えていきます。

このような特徴や傾向をスクリーニングするため、英国人のSimon Baron-CohenとSally Wheelwrightたちによって考案されたのがAQになります。日本語版は千葉大学の若林昭雄教授によって日本版として構造化され、研究・臨床の両面から広く利用されています。

CARS2

小児自閉症評定尺度 第2版(Childhood Autism Rating Scale Second Edition)のことで、子ども(2歳以上)だけでなく成人にも使用できるように改良されています。対人的・感情的理解や感覚反応、変化への適応・限局的な興味などの15領域の特徴をまとめ、ASD特性を詳細に捉えることができ治療や支援に役立てることができます。

CAARS

ADHD分野で30年以上臨床経験のあるコナーズ博士によって開発されました (Conners’Adult ADHD Rating Scales)。18歳以上を対象とした、注意欠如・多動性障害(ADHD)の症状重症度を把握するための評価尺度で、検査用紙は「自己記入式」「観察者評価式」の2種類あります。複数の回答者からの情報をもとに包括的に評価を行い、回答者間の情報を容易に比較できます。

WURS

ウェンダー・ユタ評価尺度 (Wender Utah rating scale)はADHDに関する自己評価尺度で、養育者からの情報なしで幼少期のADHDエピソードを同定するために用いられる検査です。子ども時代の特徴に関する25の項目に対して、「まったくない」「たまに」「ときどき」「しばしば」「しょっちゅう」の5段階で回答します。解答に点数をつけカットオフを設定すると、ADHD群の86%と疾患対照群の81%、正常対照群99%を同定でき​ると言われています。

・大人の発達障害の心理検査セット..................18,000円+保険診療分のお支払い

仕事や学業のつまづき、日常生活上の問題、対人関係の問題、大人の発達障害傾向のチェック、得意・不得意のチェックなどに有効です。​以下の順序で行なっていきます。

①検査導入のカウンセリング:検査目的、現在の困りごと、子どもの頃からの様子などの問診を行います。発達障害かどうかを診断したり、判断する際には生育歴(子どもの頃からの成長の様子)が重要な情報となります。

②心理発達検査セットの実施

 1回目:WAIS-Ⅳ(必須、2時間程度)

​ 2回目:発達特性のスクリーニング検査や性格検査など上記の検査を組み合わせながら施行していきます。

③検査結果の書類作成:3週間〜1ヶ月程度

④検査フィードバック・カウンセリング:結果の説明、プロフィールの見方、得意・不得意の活かし方、発達特性の傾向、具体的な対策及び環境配慮の検討など

⑤診察:診断と治療方針の確定

 

 

​検査セットやカウンセリングを行いながら、問題点や困りごとなどに焦点を当て、問題解決への道筋を考えていきましょう。

 

心理検査・カウンセリング担当

心理士 汪 為 (オウ  イ)

2008年5月に四川大震災発生。その後日本から来た災害後心理支援に感銘を受け、心の問題に悩む人を支援する臨床心理士を目指そうと志す。2009年9月に四川師範大学教育科学学部心理学専攻に入学し、2013年6月に卒業。その後2013年7月に来日し、2014年4月より立命館大学大学院 応用人間科学研究科対人援助学専攻し、2016年に修了。2020年4月より広島大学大学院 人間社会科学研究科 博士前期課程人文社会科学専攻 心理学プログラム臨床心理学実践・研究コースに入学し、2022年3月に修了。同年4月よりもりた心療内科クリニックにて勤務。

資格・賞与

臨床心理士

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